アイツんなかのアクアリウム

「ふつう」の青年の頭の中を駆け巡っているサカナたち。そのスケッチ

Kindle生活を始めてみて。付き合い方を模索中

最近Amazon Kindleを私の読書に導入した。Amazonはそこそこ使っていたし本を読むのは好きだったから、遅かれ早かれこうなる気はしていた。ただ、想像していた読書体験と実際に経験するものとでは差がある。Kindleを使う前の期待とそれに対するパフォーマンス、その良い側面と悪い側面について書ければいいなと思う。Kindleはアプリだけでも使えるしPaperwhiteなんて買う必要はなかったのだが、集中の切らされない読書をしたくてデバイスも買った。実際は物欲に負けたというのが正直なところ笑。そこも含めてレビューしてみよう。

Kindleの使い心地はかなり良い。それは大きさとシンプルな操作性による。物理ボタンで操作できるOasisとPaperwhiteとでかなり迷ったのだが、Paperwhiteを買ってよかったと思う。物理ボタンなどなくてもページの切り替えは簡単にできる。買ってからまだ1週間経っていないけれど、既にアプリで1冊Paperwhiteで4冊ほど本を読んだ。大量の本を片手楽に持てるデバイスの中に入れてすぐに読み始められる利便性が良い。本体の大きさは想像より小さかった。新書より縦が1cmほど短くて横は1cmほど長い。普段持ち歩いている無印良品のA5サイズのポーチにすっと入る。電車の待ち時間とか、家で今何しているのかわからなくなったときにぱっと取り出して本を読める。これは無駄な時間を削るのにいい。読書に思考を侵食されるのは問題だが、その危険性をあれかじめ知っておいて本を読む分には良いだろう。考えたりボーッとする時間も意識的に取ることができれば問題ない。

Kindleを買って読書をするようになってから間を置かずにKindle Unlimitedに加入した。月額980円で色々な本を読むことができる。それも、即座に。ダウンロードに数分かかることはあるが、本屋に行って買うことと比べると時間の節約になる。既に定価1600円ほどの本を2冊、家でダウンロードして読んでいる。日常的に本を読むのならば単純な本の値段でも時間の使い方でも損をすることは無いだろう。ただ、本の取り揃えには結構ばらつきがある。私は読みたい本を見つけたときにGoogle Keepに作っているリストに追加している。Kindle Unlimitedに加入してまずしたのはそれらの本の検索だ。すべての本を検索したわけでは無いが検索した本はほぼKindle Unlimitedには対応していなかった。電子書籍化していないものも想像より多い。多く見積もってもKindleの対応率は30%、Unlimitedの対応率は数%だろう。Unlimitedに対応している本から検索をはじめて自分の読みたい本を探すという手法も取れるのだが、それは規模の小さな書店で自分の読みたい本を見つけられずに仕方なく似たような分野の別のを買うしかなくなる.......という状況に似ている。このとき私は自分の思考を狭められるような感覚に陥る。Unlimited本だけでなく有料の本もきちんと読むように心がけたい。

電子書籍には上記のように携帯性であったりとか欲しい本が即座に手に入るという利便性がある。でもそれを知ってなお色褪せないアナログの本の良さがある。それは前後の参照のしやすさ、書き込みができること、本との出会い方だ。

1つ目については本をペラペラとめくって前後を行ったり来たりする容易さが紙のほうが断然やりやすいということだ。Kindleにも一応そういう機能はある。ひとつのページをキープしながら前後を行ったり来たりする機能だ。だが扱いやすさでは紙の本に軍配が上がる。紙の本ならば複数のページをキープしながらめくれる反面、Kindleではひとつのページしかキープできないしそもそもめくるのに時間がかかる。前後を参照しながら読む必要のある教科書、参考書等は紙で買ったほうが良いだろう。

2つ目については電子書籍では自由な書き込みができないということだ。もともと私には理解しにくい本を読むときには余白に自分の意見と本の内容の要約を書き込む癖があった。しかし、Kindleを使ってみるとそれができないことを実感する事になった。まだ理解に苦しむ本というのを読んでいないから必要性を切に感じるわけでは無いが、できないのだなぁと思うとよりしっかりと本を読まなくてはという気になる。一度で理解しようという姿勢になれるのはいいが実際に理解できるかは別の話だ。ここは本を選ぶ眼を持つことで対応していきたい。哲学書とかを自分の考え方を変える目的で読む場合は紙の本を選ぶ.......とか。

3つ目についてはKindleを利用していると本との偶発的な出会いが減るというものだ。Kindleでおすすめされる本は大抵過去にアクセスした本かそれに関連した本だ。そうなると似たような本がおすすめに上がってくることになる。Kindle Unlimitedの本でしかもオススメされる本となると何重にも限定された本を読むことになるわけだ。私は色々な分野の本を読んでおきたいと思っている。大型の本屋でぶらりと専門書の並ぶコーナーに足を向ける事の楽しいこと楽しいこと。電子書籍で文章を読むときは良くも悪くも検索しないものは目に入らない。つるりと他の分野に手を出すのにはやはりアナログの本屋のほうが良い。

Kindleで読書することは完全なリアル読書の互換になるかといえばそんなことは決してない。上で話したことの他にも電子書籍だと情報を拾う読み方になりがちになるなどの問題もある。大事にしていきたいのは本から何を得て自分を変えていけるかだ。目的の無い読書にも良いところはたくさんある。だけど私は常に目的を持って本と付き合っていきたい。目的は何も大幅な思考の変化を起こすものでなくても「表現の幅を広げたい」という弱い理由でも構わないと思っている。目的ありきの読書は情報、知識の吸収率を高めてくれる。本からの学びを最大化していく。そのためにできることをしていこうと思う。読書ノートの習慣は続けたい。気楽さんのXmind読書は導入を検討。


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